健康

ジメジメとした梅雨時期に寝具の湿気をとる重要性!

湿気の多い布団
なぜ湿気をとることが重要なの?

室内干しのイメージ

これから梅雨で湿気の多い時期となります。ジメジメして嫌な季節ですね。

大気の湿度が上昇すると共に寝具の湿度も高まり、眠っている間にかいた汗が放湿しにくい環境となります。寝具に湿気が停滞することで

3つの悪影響があります。

① 衛生面に悪影響を及ぼす
カビが繁殖しやすくなり、空気中のカビ菌が体内に入り込み、アレルギー性の病気の原因にもなり健康被害を引き起こす可能性があります。

一般的に住居内で見られるカビの生息可能温度は0〜58度で、繁殖しやすい湿度は60%以上、温度は20℃~30℃ぐらいで、概ね25℃前後を最も好みます。カビの栄養となるのは、人の皮脂、ふけ、髪の毛をはじめ、ホコリといわれているものすべてをエサとして取り込みます。

女性が臭いに困っているイメージ
カビやダニの写真

私たち人間が「快適」だと感じる気温や湿度はカビにとっても居心地の良い環境なのです。
しかも、室内のダニはカビを好物としているため、カビが繁殖している場所にはダニも発生しやすいという、うれしくない相乗効果も働きます。
毎日必ず使う布団は、家の中でもっともダニが多い場所としても知られています。ダニは25℃以上の温かい温度で、湿度が60%以上のときに爆発的に繁殖します。私達の体温で温められ寝汗を吸う布団は、ダニにとって繁殖しやすい条件を満たす場所なのです。

『カビによる健康被害』
カビ・ダニ(フン・死骸)が引き起こすアレルギー症状は、鼻炎や皮膚炎、ぜんそく、目のかゆみなどさまざまです。ダニ(フン・死骸)が肌に触れることでかゆみを伴う皮膚炎を発症するほか、吸入することで発症する疾患も数多くあります。中でも典型的な疾患がアレルギー性ぜんそくです。特に小児ぜんそくの場合は、80%以上がダニアレルギーに起因するとも言われています。
カビも同様に、胞子を吸入することによって、気管支ぜんそく、さらには重症化して肺炎を引き起こす可能性があります。

ホコリに困る少年
就寝する女性イメージ

② 湿気が身体を冷やしてしまい、様々な症状を引き起こす。

湿度が高いとふとんの中が蒸れて温度以上に暑く感じ、ふとんを蹴ってしまい、気づいた時には身体を冷やしてしまいます。
そして、ふとんの中の湿度が高いと汗をかきにくくなるので、代謝が悪くなり体液循環が滞り、同じく、身体を冷やしてしまうのです。頭痛や肩こりや疲れが取れない・だるさも湿気が引き金になっているのかもしれません。
暑い時期でも、湿度の多い時期ほど身体を冷やす環境となりますのでご注意くださいませ。

理想的な寝床内気象のおススメ
温度:33度±1度
湿度:50%±5%

素肌にシャツを着ると、肌とシャツの間に空間が出来るように、寝具と体の間に小さな空間が出来ます。 この空間の湿度や温度を【寝床内気象(シンショウナイキショウ)】といいます。
夏は涼しく・冬は暖かく上記の温度・湿度に近いほど心地よい環境となります。

③ 寝具の老朽化を早めてしまう

羽毛ふとんに湿気が停滞することで、羽毛のダウンは劣化します。
寿命を縮めてしまのでご注意下さいませ。

<寝具のカビを防ぐためのポイント>
カビの栄養源となる汚れや湿気を取り除く日頃のお手入れが重要!
長く快適に寝具をご愛用頂けるように
●シーツやカバーは週1回洗濯する
●敷き布団やマットレスも週1回を目安に干す
●部屋の空気を循環させる
●部屋の中の結露部分、ホコリなどをこまめに取り除く
●部屋の湿度は60%を超えないように調整する
●ベッドは壁から10cm程度離して配置する

《衛生的に使用するために…干す頻度は?》
■羽毛ふとんは月2~3回、夏30分、冬は1時間程度
乾燥した日の午前10時から午後2時の間にふとんがわの生地の傷みや汚れを防ぐために、カバーやシーツでおおって干して下さい。
普段は、風通しのよい日陰で両面干し、湿気を飛ばしましょう。
日に干す場合は、極力時間を短くして干してください。
■羊毛:2週間に1回、2時間程度 陰干し
■綿素材の掛けふとんや敷きふとんは週に1~2回、2時間程度
放湿性に乏しいため、天日干しが必要です。
■真綿:直射日光に弱いので陰干し
■ カバー類は最低週に1回! なかでもまくらカバーは肌に近く、皮脂やフケなどが溜まりやすくなるため、2~3日に1回の洗濯が目安です。

*やってはいけないこと
パンパンと布団を強くたたいてはいけません。ダウンや側生地を傷めることになります。後述しますが、ホコリやダニが気になる場合は、取り込んだ後でやさしく掃除機で取り除きます。

また、カバーをかけて干したとしてもあまりにも高温になる真夏の直射日光が当たる場所で長時間干すのはやめましょう。ダウンボールは高温で割れやすくなる(枝羽になってしまいます)ため、保温力が低下し、せっかくの品質が落ちてしまいます。

《ダニを死滅させる温度とは?》
1. 50度以上で20分~30分
2. 60度以上なら一瞬

布団をたたく(NG)と汚れが浮き出てきます

布団の表面を叩くとダニやフン、チリがとれるイメージがありますが、実はかえって逆効果です。表面をバンバン叩くとダニのフンや死がいが細かくなって出てきてしまい、叩く前より2~3割増えてしまうと言われています。叩くことで表面に出てくるのです。叩いても、分厚い布団の中の汚れまではとれません。
中わたに蓄積された水溶性のダニや汚れをしっかり落とすには、中わたまでしっかり水に浸けて汚れを落とす事が大切なのです。羽毛ふとんなら水洗いが効果的です。

《身体が湿気で冷えやすい季節だからこそご愛用頂きたい身体を守る寝具》
湿気を干してとることをお話してきましたが、そもそも高温多湿の日本でこの時期に一番適しているおふとんがあります。真綿(まわた)ふとんです。最も湿度を放湿する寝具です。
身体を冷やしやすい季節だから温めて守る必要があります。その冷えから身体を守ってくれるのが「温泉ふとん」です。

《羽毛ふとんを長く気持ちよくご愛用する方法》
普段のお手入れは、湿気ったままにしないこと(上記のように干す)です。もう一つのお手入れが、3~5年に一度は羽毛の水洗いをすることです。
ただし、羽毛を専門に取り扱うお店で水洗いしましょう。なぜなら、羽毛の水洗いは、洗うところで基準が違うので、長く快適にそして羽毛を傷めない洗い方が重要だからです。

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